脱脂の重要性

塗装前に十分な「脱脂」を行うことは、塗装品質を向上させるためにとても重要です。

一般的に、金属素材への塗装の前処理は以下の流れで行います。

(錆がある場合、研磨)→ 脱脂 → リン酸塩処理 → 塗装 

金属加工後の部品には加工油や防錆油が塗布されており、表面が汚染された状態です。
塗装前の脱脂工程でこの油を十分に除去しないと、塗料が素材の表面にしっかりと密着せず、塗膜剥離の原因になります。
また、素材表面に残った油分、水分、ゴミの影響で、塗料が素材に均一に付着せず一部で押しのけられたような症状になる、ハジキといった不良も起こります。


「脱脂」に関する、あるエピソードがあります。

あるお客さんの工場で、私は塗装テストに立ち会っていました。

立ち会っていたんですが、塗装不良がすごい多いんですね。
塗装した部品の2割程度に「ハジキ」の塗装不良が起こっていました。

このハジキは、素材表面に残った油分、水分、ホコリの影響で、塗料が素材に均一に付着せず、一部で押しのけられたような症状になる症状です。
ですから、素材をきっちりと脱脂・洗浄して、しっかり乾燥させた後に塗装すれば、解決できる不良なわけです。

見たところ、作業者は、洗浄用スプレーを部品に吹きかけて、布で汚れをふき取っていました。
そしてその汚れた布で、次の部品の汚れをふき取っていたのです。


これではきっちり汚れは拭き取れないのは当然ですね。

私は、洗浄用スプレーを使うのをやめて、2つの容器を用意してもらい、そこに塗料希釈用のシンナーを入れて、部品をシンナーに漬けたまま、ブラシでこすって洗浄してもらうように作業を変えてもらいました。
その作業が終わると、次にきれいなシンナーの入った2つ目の容器に漬け、きれいなブラシでこすって洗浄し、最後に網だなの上に乗せて乾かしてもらいました。

こうすれば、油汚れ、水分、ゴミなどが素材の表面に残る心配はありません。


・・・


これでハジキ不良は無くなりました。

それまでは、この不良の手直しのために、不良部分をヤスリ掛けして塗膜を剥がしてから再塗装していたので、この改善で約2割の工程短縮になりました。
塗装品質の改善だけでなく、塗装作業コストも削減できましたので、このお客さんから感謝されたのは言うまでもありません。


脱脂の大切さ。

十分にご理解頂けましたね?

脱脂の重要性は、何度繰り返しても伝えきれないくらい重要です。
塗膜の剥離、ハジキといった不良が出た場合は、塗料の品質を疑うのではなく、まず脱脂作業を見直してみてください。



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