中国で注目を集める水性塗料

ここ最近、中国の塗装業界では水性塗料が大きな注目を集めています。
たくさんのお客様やこのブログの読者の方から水性塗料について質問を頂いています。

そこで、今回水性塗料について、基本的な解説をしていきたいと思います。


水性塗料って一体どんな塗料なのでしょう。

まず、水性塗料は「エマルション型塗料」と「水溶性塗料」の2つに分けられます。

エマルション型塗料は、建築用の塗料として以前から使用されている塗料です。
ハウスシック症候群って聞いたことがあるかと思いますが、これは、建築材料に使われる化学物質が、人体に悪影響を与えるという病気ですね。
ですから建築用の塗料は、一般的に水性塗料が使われます。

エマルション型塗料は、樹脂の粒径が0.1μm以上と比較的大きく、樹脂は水に溶けているわけではなく、分散しているんですね。
例えば牛乳もエマルションです。


これに対して水溶性塗料は、もっと粒径の小さい水溶性の樹脂を使用しており、樹脂は完全に水に溶けています。

エマルション型塗料、水溶性塗料それぞれ長所と短所があり、ユーザーは、製品の特性、要求される性能によって使い分けています。


既に自動車業界では、下塗りを水系の電着塗料、中塗りを水性塗料に切り替えており、上塗りのクリアコートだけ溶剤塗料で塗装しています。

水性塗料は、専用の塗装ラインを導入しなければなりませんし、湿度管理、排水処理にも多くの問題を抱えていますが、現在多くの業界で、溶剤塗料からの切り替えの試みが進んでいます。


実際に江蘇省の上海、蘇州、無錫の各市政府は、2020年末までにVOCの排出を大幅に削減するために溶剤塗装を無くすよう指示を出し始めました。
現在溶剤塗装をしているメーカー各社では、塗料を水性塗料や粉体塗料へ早急に変更する対応に迫られています。

しかし一方で、中国政府は明確な水性塗料の定義を示していません。

2015年2月から、VOC含有量が420g/Lを上回る塗料に対して4%の消費税が課税されています。
しかし、420g/L以下という基準は、あくまでも低VOC塗料であって、水溶性塗料と定義されるわけではありません。


明確な定義が無いなか、環境局の役人から「水性塗料へ切り替えろ」と指示されるので、たまったものではありません。
しかし、江蘇省の溶剤塗装撤廃の方針は、数年後には中国の他の省でも同様に施行される可能性が高いため、先手を打って対応を進めて行くしかない、というのが現状です。


では、実際どのように塗料の水性化検討を進めれば良いのでしょう。

次回、水性塗料に必要な塗装設備、塗装条件などについて詳しく解説していきます。
次回の記事→ VOC排出規制で進む水性塗料の検討


中国駐在、加油!



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